- 一次発酵が必要な理由を知りたい
- 一次発酵の方法を知りたい
- 一次発酵の途中でパン作りを中断する方法を知りたい
一次発酵とは、生地を捏ね終えた次の工程となり、文字通り生地を発酵させる時間です。
この一次発酵のやり方を間違えてしまうと生地の過剰発酵や発酵不足などパンの出来上がりや味にも悪影響を与えます。
今回は「一次発酵の正しい時間の取り方と発酵の見極め方」についてご紹介していきます。
生地はどうやって発酵するのか?
発酵中は、イースト菌がパン生地内に含まれた糖分を分解して、炭酸ガスやアルコールを発生させ、その時に発生した炭酸ガスがグルテン組織に入っていき結果、生地を膨らませます。
一次発酵の目的について
- 生地を発酵させるため
- 発酵することにより生地がやわらかくなる
- 生地に風味と旨味を持たせる
第一の目的として生地を発酵させる為に一次発酵を行います。また、発酵させることで生地が柔らかくなり、発酵が進むごとに生地に風味と旨味を持たせます。
一次発酵の方法について
一次発酵の方法として次の点を意識して行いましょう。
- 室温(気温)
- 湿度
- 時間
室温(気温)
発酵において室温は重要です。適切な室温としては28度~35度が適切と言えます。
春~夏においては常温での発酵でいいですが、冬になると発酵に時間が掛かる場合があるのでオーブンレンジに発酵機能がある場合は活用しましょう。
湿度
湿度については70~80%が目安です。適切な湿度を保つ為にも生地を置いた容器にはラップをするようにしましょう。乾燥すると生地の伸びが悪くなり、成型もしにくくなります。
時間
基本的には30分前後になります。しかし、発酵時間は室温に左右されやすいです。その為、気温が低い場合は30分より長く、気温が高い場合は30分より短くして状況に応じて時間設定しましょう。
一次発酵の見極め方
生地の見極め方として2つの方法があります。
- 膨張率で判断する
- フィンガーテストでの確認
膨張率で判断する
一次発酵終了の目安として発酵前と発酵後の膨張率で判断する方法があります。目安として発酵前の生地から3倍程大きく膨れていたら発酵完了です。
フィンガーテストでの確認
目視以外での確認方法として有効なのが「フィンガーテスト」です。
発酵した生地に人差し指(第2関節)を指して生地がそのまま、もしくは少し押し戻す程であれば発酵完了。元に戻るようであれば発酵不足となります。また、生地がしぼむ場合は過発酵(発酵し過ぎた状態)となります。
【応用編】一次発酵途中でパン作りを中断したい場合
パン作りは2~3時間掛かります。そんな中、急用等でパン作りを中断せざる得ない場合はどうすればいいのか紹介していきます。
パン作りの中断の方法として2パターンあります。
- 1~2時間で済む場合
- それ以上に時間が掛かる場合
1~2時間程度で済む場合
1~2時間程度で済む場合は冷蔵庫で発酵させて下さい。イーストは温度が低温になる程、活動速度が遅くなります。冷蔵庫内であれば庫内3~4度の為、ゆっくりと生地は発酵していきます。その為、1~2時間程度であれば過発酵になることなく発酵することが出来ます。(パン作り再開の後、生地の状態を見て発酵時間を再調整しましょう)
それ以上に掛かる場合
1~2時間以上掛かる場合は、冷凍庫で保管するようにしましょう。0度以下になるとイースト菌は活動を停止する為、過発酵になる恐れはなくなりますが注意点もあります。
- 砂糖・油脂の多い生地
- 生地の解凍から再発酵まで時間が掛かる
- 成型がしにくくなる
フランスパンや食パン生地(リーンなパン)は、生地の冷凍保存に向いていません。また、一度、冷凍すると解凍から再発酵までいつも以上に時間が掛かり結果的にいつも以上に作る時間が掛かります。また、生地は固めになり成型が難しくなります。冷凍保管は生地の扱いが難しくなるので、緊急時の手段として覚えておきましょう。
まとめ
・一次発酵は発酵だけでなく生地に風味と旨味を持たせる
・一次発酵は室温、湿度、時間管理が重要
・一次発酵の見極めは目視とフィンガーテスト
・途中でパン作りを中断する場合は冷蔵保管を上手く活用
上手な発酵とは、室温・湿度・時間管理と発酵完了の見極めにあり、見極めの有効な手段としてフィンガーテストが挙げられます。
まだ、パン作りに慣れていない方でも簡単に見分けることが出来るので是非、作った際には試してみて下さいね。
また、パン作りをやむを得ず中断する場合は冷蔵庫を活用することで続きから再開することが出来ますので覚えておいて貰えればいいなと思います。
一次発酵は成型や二次発酵、パンの仕上がりにも影響が出ますので、しっかりとポイントを押さえて美味しいパンを作りましょう。