本ブログでは、時間効率や作りやすさからストレート法を勧めていますが、ストレート法以外にも製法があります。
その中で今回は「中種法」をご紹介したいと思います。
中種法とは、簡単に言うと生地の捏ねを2回に分けることにより生地が柔らかく、ボリュームのあるパンに仕上がり、ストレート法とはまた違うパンを作ることが出来ます。
時間が掛かることや工程が増えるデメリットがありますが、また違うパンを作ることが出来る為、試して頂ければと思います。
- 他のパンの製法を探している
- 柔らかくてボリュームのあるパンを作りたい
- 作る時間に余裕がある
中種法とは?
中種法とは上の図の通り、ストレート法との違いは「中種」「発酵」「本捏ね」「一次発酵」「成型・ベンチタイム」「二次発酵」「焼成」となります。
特徴としては生地捏ねを2回に分けることと中種の時は「強力粉(50-70%)・イースト・水」を混ぜ、本捏ねの際に残りの強力粉や副材料を入れて捏ねてから一次発酵の時間を取ります。
- あらかじめ捏ねて発酵させる生地の分量は50~70%にする
- 中種の発酵時間は最低1時間以上置くようにする
- 中種の発酵時間を長く置く理由として、時間置くことにより小麦粉が水をしっかりと吸収し、やわらかい食感になる為
中種法のメリット・デメリット
- 2回目の本捏ねで生地の調整をすることができる
- 柔らかい生地に仕上がる
- ボリュームが出る
- 日持ちがいい
発酵時間が長くなることより小麦粉が水分を良く吸収する為、しっとり柔らかい生地になります。また、保水性も増すため、ストレート法と比べてパンの日持ちが長くなります。
- 時間が掛かる
- ストレート法よりパンの風味が薄れる
中種法のデメリットとして挙がるのが「時間が掛かる」です。
ストレート法と比べると「捏ね」から「一次発酵終了」までに掛かる時間は、ストレート法で1時間以内で済むのに対して、中種法は3時間ほど掛かります。
また、発酵時間が長い為にパンの風味が薄くなってしまう点がデメリットとなります。
発酵時間の節約方法
ここまで中種法のメリット・デメリットについて説明してきました。ここでは、デメリットである発酵時間の節約方法について説明していきます。
- パン作りを前日(12時間以内)に中種を作る
- 中種をタッパーに移し冷蔵保管
- 翌日、中種が完成した状態で本捏ねを行うことができる
中種を前の日に作ることにより、当日は本捏ねからスタートすることができ、ストレート法と変わらない時間でパンを作ることが出来ます。
ただ、冷蔵中も生地は低温発酵している為、発酵開始後12時間以内には使用することをおすすめします。
菓子パンを作るときは加糖中種法がおすすめ
最後に中種法で菓子パンを作る際は「加糖中種法」をおすすめします。
加糖中種法とは、中種づくりの時に砂糖を加えることにより発酵を早くすることが出来ます。また、砂糖の特性により保存性が向上し、日持ちしやすく乾燥しにくいパンを作ることができます。
まとめ
- 柔らかくてボリュームのあるパンを作りたい時は中種法がおすすめ
- 中種法はストレート法より時間が掛かる
- 作る時間をあまり確保できない場合はストレート法が良い
中種法自体は、特に難しい工程がある訳ではありませんがストレート法と比べると時間を要します。
ですので、中種法でパン作りをする場合は、時間に余裕を持って挑戦しましょう。